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人間破壊の「監理措置制度」導入反対と入管への要請

人間破壊の「監理措置制度」導入反対と入管への要請

 

2023年12月10日

 

入管の民族差別・人権侵害と闘う全国市民連合

代表 指宿 昭一

 今年6月、反対する多くの市民の声に耳をふさいで入管法改悪法が強行採決され、公布日から1年以内(来年6月まで)に実施されようとしています。入管法改悪の中でも「監理措置制度」は、未だ運用の実体が明らかにされず、かつ外国人のみならず私たち日本国籍者にも大きな人権侵害をもたらす恐れのある制度です。

 現在、入管に収容されている外国人が一時的に収容を解かれる「仮放免者」になるには、保証人が必要とされます。入管収容施設は強制送還を前提とした施設なので、収容される外国人のほとんどは帰国します。ところが、難民であるが認定されずビザが出ない(帰国すれば命の危険がある)、日本滞在が長く家族もいるなどの理由で日本に留まるしかない人たちは、何らかの形の在留資格が出るまでは、保証人を探して「仮放免」身分を手にするしか収容所から出ることはできません。家族や友人、支援者らは、しばしば報道されるように命すら守れない劣悪な入管の収容環境から、被収容者を救出する思いで保証人を引き受けてきました。

 収容者と保証人の間にあるのは、誰もが生まれながらにもつ生存権を全うするための人間同士の助け合いと信頼関係です。

 

 ところが、「監理措置制度」ではこれまでの保証人の代わりに、収容施設からの解放には入管側が選ぶ「監理人」が必要とされ、監理人は名が意味する通り、収容施設を出た外国人(被監理人)を監理し入管に報告することが義務づけられています。これまで被収容者とともにその圧力に抗ってきた入管側の手先となれという話です。しかも、報告義務を怠れば監理人にも過料(行政罰)が科せられます(退去強制令書発付後の就労や逃亡を報告しなかった場合、被監理人の共犯者として刑事罰を受ける可能性もあります。)。外国人管理の仕事を市民に下請けさせ、行政罰まであるとなれば、これまで仮放免の保証人として外国人支援を担ってきた支援団体や個人の誰が「監理人」に手を上げたいと思うでしょうか。それでも、何とか支援対象者を収容から解きたいと思えば、あまりにも理不尽な葛藤に悩まされることになります。憲法に照らしても、個人の良心への国家権力の侵害は許されるものではありません。

 制度が実施されれば、人間同士の信頼関係の上に成り立っていたこれまでの「仮放免」という制度にかわって、監理するものされるものという支配被支配関係が、市民と収容施設からの解放を望む外国人に強要されます。被監理人となる外国人にとっては、日常生活やプライバシーに関わることまで全て、監理人によって監視されるということであり、まるで檻のない監獄に閉じ込められることになります。「監理措置制度」は、入管収容施設の唯一の目的である外国人の強制送還に市民自らを参加させ、根本からの変革なしにはその非人道的なふるまいが糺されることのない入管制度に反対する声を封じ込めようとするものです。猜疑心と不信感を植え付けて人間関係を破壊する法律の実施は他人ごとでしょうか。近年特に危機感が増す、相互監視社会への道を大きく開くものでもあるのではないでしょうか。皆で「監理措置制度」導入反対の声を大きくあげていきましょう!

 

 私たちは、制度の実施に反対するとともに、入管に下記を要請します。

 

 

1.入管の責任で、現在の保証人に監理人になる意向があるかどうかの調査を行い、調査結果を公表し国会に報告せよ。

2.入管は、現在の保証人が監理人を辞退した場合にどのような対応を行うのか、いくつかの想定を前提に報告せよ。

3.収容・仮放免などの行政処分の公平性や平等性を検証可能にするための統計計画を策定し国会に報告し承認を求めよ。

4.以上の措置を講じない限り、監理措置の導入を無期限に延期せよ。

 

以上

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