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​齋藤法相の虚偽答弁の謝罪撤回と柳瀬房子氏の
証人喚問を求める要望書

​齋藤法相の虚偽答弁の謝罪撤回と柳瀬房子氏の証人
喚問を求める要望書

2023年5月22日
 

参議院法務委員会 委員長  杉 久武  殿(FAX:03-6551-0615)

入管の民族差別・人権侵害と闘う全国市民連合(略称:入管闘争市民連合)
HP: https://www.ntsiminrengo.org/ Twitter:@nyukan_alliance
(問合せ先メールアドレス:info@ntsiminrengo.org)

 

 2023年4月13日に衆議院審議入りした入管法案について、2021年に廃案となった入管法案審議において同年4月に衆院法務委員会に参考人として呼ばれた「難民を助ける会」の名誉会長で難民審査参与員の柳瀬房子氏の発言が、立法事実の根拠になりえないと問題になっています。2023年5月15日に全国難民弁護団連絡会議(全難連)は、日弁連の推薦に基づいて難民審査参与員に任命され、2019年度以降2023年4月までの期間が任期に含まれている参与員にアンケート調査を行い、その結果を会見で公表するとともに問題を指摘しました。
入管庁が公表している「現行入管法の課題」(2023年2月)という資料では、柳瀬氏の発言が引用されています。この「現行入管法の課題」は、「早期に解決しなければならない喫緊の課題であり、現行法上で生じている課題等」であるとして、送還停止効の一部例外として、難民申請が3回目以降の人などの送還を可能とする入管法案の根拠となりました。
《入管として見落としている難民を探して認定したいと思っているのに、ほとんど見つけることができません」「難民の認定率が低いというのは、分母である申請者の中に難民がほとんどいないということを、皆様、是非御理解ください。》
(――2021年4月、衆議院法務委員会参考人質疑での柳瀬氏の答弁)

 柳瀬氏は、2023年本国会の入管法案に関しても、メディア取材に応じて同様の主旨を回答しています。
 柳瀬氏は年間1000件も難民審査請求事件について他の2人の参与員とともに意見を法務大臣に具申したと認め、適切に判断したと述べています。
 全国難民弁護団連絡会議は、難民審査参与員らにアンケート調査を行いました。その結果、「対面でなく書類審査だけでも、とても無理」「殆ど記録を読んでいない。もしくは調査官が作成した『事案概要』に記載されている事実及び意見に従って判断しているのではないかと思われる」といった回答が寄せられたと報告しています。

 UNHCR難民認定ハンドブックは、難民認定とは主張の信憑性の評価である、そして、その評価は面接を通じなければならないと規定しています。行政不服審査法は口頭意見陳述の実施を原則としており、難民審査における審査請求にもこの行政不服審査法の原則が適用されるはずです。世界のスタンダードも日本のスタンダードも面接です。
 面接の実施は、疑問をぶつけ、釈明の機会を与えるという適正手続き上の要請に応えるだけではありません。自身の経験を語るときにゆがむ顔、記憶が喚起されるにつれてみるみるうちに真っ赤に染まる頬、母の死について語る震える声、自国の政治状況についての深い知識と汲めども尽きない真正な怒り、空港の検査を脱するときの緊迫したやり取りについての予想もしないような説明など、信憑性評価にとって決定的な事実が、面談を実施することで初めて明らかになるのです。
 全難連は、難民審査参与員らに行ったアンケート調査によれば、難民審査参与員の平均的な審査件数は、「年間で36件」。アンケートに回答した参与員達からは柳瀬氏の年1000件に対し、「信じられない」「対面でなく書類審査だけでも、とても無理」「殆ど記録を読んでいない。もしくは調査官が作成した『事案概要』に記載されている事実及び意見に従って判断しているのではないかと思われる」と、その信頼性を疑う回答が次々と寄せられた、と発表しています。
 入管の民族差別・人権侵害と闘う全国市民連合は、日々被収容者や仮放免者の支援をしている支援団体として、全難連の調査結果をふまえ、柳瀬氏が行ってきたという年間1000件の難民審査の過程を追及するために、柳瀬氏の証人喚問要求を求めます。
 どのような勤務体制なのか、どのような書類が配布されるのか、出身国情報は十分に提供されるのか、出身国情報がそもそも書面で配布されるのか、難民調査官に事実の調査を命じる案件はないのか(事実の調査すらない場合、審査請求は完全な書面審理になる)、一次審査に疑義が生じた場合どのように処理しているのか、どのように合議するのか、合議内容を書面にまとめるのか、そもそも、いったいこれだけの作業をどれだけの時間で行うのか。難民認定申請手続の運用実態から追及しなければ、この問題の真相は明かになりません。

 齋藤法務大臣は、柳瀬氏自身が、2年間で2000件担当したと入管に対して確認しているにもかかわらず、柳瀬氏の名誉を守ると称して、その事実を否認しました。「17年間で2000件やりました」ということしか承知していないと強弁し、事実を認めようとしなかった態度は極めて不誠実です。
 また、西山次長は、議員からの質問事項の事前通知を受けながら大臣に柳瀬氏の勤務実態を報告せず、事実上の虚偽答弁をさせました。また、4月21日(金)衆議院法務委員会で「在留資格のある難民申請者の難民申請手続が弁護士を、民事法律扶助でつけられる」と虚偽答弁を行っています。西山次長が主導した本件改正法案の国会審議は虚偽答弁と不誠実答弁にまみれています。
 大臣は、自身の答弁を謝罪、撤回するべきです。また、西山次長の国会への出席・答弁も禁止するべきです。
 以上から、齋藤法相の虚偽答弁の謝罪撤回と柳瀬房子氏の証人喚問を求めます。

 

以上

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