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【入管闘争市民連合パンフレット「なぜ入管で人が死ぬのか」連載②】

更新日:2023年2月24日

ウィシュマさん事件の背景にある強硬方針

入管が退去強制処分(退去強制令書発付処分)を下した外国人のうち、割合にすれば数パーセントとわずかですが、難民や日本に家族がいるなど様々な事情で帰国を拒否する人たちが一定数います。こうした人たちを、入管があくまでも退去強制(送還)によって減らしていこうとするならば、その方法は2つあります。


①長期収容を回避し仮放免するが、長期間、仮放免状態で生殺しにし[1]、あきらめさせて帰国させる。

②無期限収容権を用いて仮放免しない(長期収容)、再収容する、等々によって「こんなところに収容され続けることにはたえられない」、と在留の意志をくじいて帰国に追い込む。


どちらのやり方も日本在留を認めず、帰国を拒否する者すべてを送還しようとする送還一本やりの方針と言えますが、②を私たちは、入管の収容権濫用による強硬方針と呼んでいます。

あとで述べるように、ウィシュマさん事件の背景には、①から②の強硬方針への転換が、法務省入管局長の 2015 年通達を皮切りに 2016 年通知・指示をもって、各入管局・各センターで徹底化された事実があります。


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[1]仮放免にはいくつかの許可条件がつけられ、仮放免された人(仮放免者)はこれによって行動を制限されます。許可条件とは、就労しないこと、入管局が許可した住所に居住すること、許可なしに都道府県をまたぐ移動をしないこと、入管局の求めがあれば出頭することなどです。また、仮放免者は、国民健康保険に加入できないなど社会保障から排除されています。つまり、就労もできず、生存権すら保障されない無権利状態に置かれているのです。


(次回:くり返される見殺し事件と変わらぬ方針)




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