25.09.28反戦平和・入管闘争集会報告
- ntsiminrengo
- 2 日前
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(写真)名古屋会場の様子
2025年9月28日(日)、入管の民族差別・人権侵害と闘う全国市民連合の主催で、「反戦・平和・入管闘争集会」を、東京、大阪、名古屋の3会場で開催しました。
現在、法務省-入管庁は「不法滞在者ゼロプラン」を打ち出し、日本社会全体でますます民族差別、排外主義が加速する中で、入管問題をただおかしい、ひどいと言うだけではなく、国家権力による民族差別に反対し、再び排外主義、侵略戦争の方向へ向かっていく流れを実際的に止めなければならず、止めることができる運動を、民族、国籍を超えて創り上げていくことを、参加した市民、学生、労働者、仮放免者でお互いに確認する集会として開催しました。
〈概要〉
〇日程 2025年9月28日(日)13時30分~16時30分
〇会場
(東京) 文京区民センター
(名古屋) 名古屋市立東生涯学習センター
(大阪) 中鴻池市民プラザ(中鴻池リージョンセンター)
〇主催 入管の民族差別・人権侵害と闘う全国市民連合
〇テーマ 反戦・平和、入管による民族差別、人権侵害反対
・戦後80年に際して、 戦争に反対し、真の平和を求める。
・入管の「不法滞在者」ゼロプランによる排外主義宣伝と「無理やり送還」に反対する
・入管にウィシュマさん事件の責任を取らせ、二度と入管被収容者への圧殺事件を起こさせない
〈議題〉
・基調報告
・「不法滞在者」ゼロプランについての報告
・ウィシュマさん事件報告
・ご遺族挨拶
・各団体挨拶
―日本労働評議会
―全国学生評議会連合
―BOND
―WITH
―Save Immigrants Osaka
(時間の都合で割愛させていただきました。)
―全国一般東京ゼネラルユニオン
―真宗大谷派名古屋別院名古屋教区解放運動推進協議会
―Wave~against war and nuke~
―仮放免者の会
〈当日の様子〉

当日は、東京会場45名、名古屋会場28名、大阪会場52名、計125名の市民、学生、労働者、仮放免者が集まりました。各会場をオンラインでつなぐ形での開催となりましたが、各団体からの意見表明、状況報告、また分科会での討議などを通して、各会場内はもちろん、3会場の連帯感・一体感をもって、問題の根拠と方向性を確認し合う起点となりました。(写真)大阪会場の様子
入管が「不法滞在者ゼロプラン」を打ち出し、ますます排外主義が強化されてきている情勢にあって、入管闘争市民連合として進むべき方向性が明らかになった、大きな意義のある集会でした。
ウィシュマさんの妹さんであるポールニマさんからは、日本に住む方たちは、姉の事件を一体どのように観ているのか。日本に住むあなたたちは、差別を許してしまっているのではないか、それに気づいて一緒に闘ってもらいたいという、率直な意見をいただきました。
真宗大谷派名古屋別院名古屋教区解放運動推進協議会からの、アイヌ民族に対する同化政策や朝鮮・中国侵略に加担してしまった真宗大谷派の歴史的責任を自ら痛苦に批判する報告は、戦争責任をあいまいにしてきた日本社会全体の問題でもあることを突き付けられ、当事者である仮放免者もうなづきながら真剣に耳を傾けられていました。
日本労働評議会からの報告では、「国土を蹂躙され、銃撃、爆撃で犠牲となるのみならず、戦争に駆り出され、銃を担ぎ戦地に赴くのは、資本家階級ではなく、労働者階級はじめとした勤労人民であることです。帝国主義戦争の本質は、労働者階級が他民族の労働者階級に発砲し、闘う構図となる、すなわち社会排外主義へと転落していくことにあり、このことを決して忘れてはなりません。」「民族と国境を乗り越え、団結して帝国主義戦争には共に反対することをはっきりと宣言します。」と力強い表明と呼びかけがありました。
他の団体からも、それぞれの立場から、入管問題だけではなく、より広く日本社会に蔓延る民族差別に反対していくことが表明されました。
戦後80年、入管は帝国主義国家権力の象徴として、民族差別と排他性を鮮明にして今なお体制を残しています。入管問題を、入管問題の枠内でどうするかということを考えるのだけでは、問題は解決しません。過去、現在、そしてこれからの情勢の中で、入管行政の役割とは、その位置とは一体何なのかを見極め、日本の帝国主義が犯した重大な過ちを二度と繰り返さない、繰り返させないために、歴史的教訓として、過去、侵略戦争を許し、自分たちの手で他民族に銃を向けた、その罪を受け止めて、内なる差別、無自覚な差別と闘うこと、入管闘争と反戦平和闘争を結合していくこと、また日本労働評議会からも呼びかけがあったように、労働者・学生・市民が「民族と国境を乗り越え、団結して帝国主義戦争には共に反対する」ことを全体で確認しました。

<分科会での意見>
関東 市民
「反戦平和を歴史的な罪の意識から考えようという内容は響いた。これまでそういう方向に目を向けていなかった。仕方がない、ということではだめ。見過ごしていたことを反省しなければ。反帝、反戦ということの意味をつかまなければと思う。そういうことから、入管のことも見ていくという視点を持たなければと思う。」
関西 市民
「排外主義との対決は労働運動の役割だと思う。労働運動が一つの軸となる。市民運動も大事だけれども労働運動がより反対の動きをしていてまずいと思う。辿ってきた道に進んでいる危機意識がある。」
中四国 学生
「反戦平和、労働問題、入管問題、ばらばらなように見えるけど、全てに差別、階級的な差別が根底に、支配する側とされる側がある。当事者、労働者側に立つことの大切さも学んだ。学ぶだけでなくなぜ止められなかったのかは共通している。日本がやってきた罪の重さ、軍国主義、悲惨さ、やったのは自分ではないけど罪の重さを背負ってどうできるかを考えることの重要性がわかった。今の日本が排外主義に向かって行っているというのも感じていて、何ができるのか、自分でも考えていきたい。みんな同じ思いで集まって何ができるか、身近で自分にもできることが合ったのだとわかってすごく心強いし支援される側からしても心強いんだろうなと思った。自分もしっかり関わっていきたい。」
仮放免者
「真宗大谷派の発言はその通りだと思った。今、私たちがこわいと思っているのは入管だけじゃない。(排外主義が強まっているなかで)外に出て歩くことすら、今はこわい。日本人がこわい。」
「私たちも入管問題だけで解決するとは思っていない。今日の集会は、今の入管問題の話だけじゃなくて、歴史からみてるんだよね。過去、侵略された私たちからみれば、この国がどこへ向かうのか、その問題だと思っている。日本人がこうやって起ちあがるのは心強い。」
〈裁判傍聴の呼びかけ〉
全国で入管関連の裁判が行われています。入管内で起きている外国人に対する暴力、人権侵害を日本社会で、日本の裁判所で容認させてはなりません。これらが認められるということは、「外国人だから」「退去強制令書が出ているから」というだけで、当事者は人間的な扱いを受ける権利が最初から無いものとして、入管による送還のための暴力、嫌がらせ、人権侵害がより一層発生し、犠牲者が増える可能性が高まることを意味しています。
入管による民族差別・人権侵害を認めてはならず、これは私たち自身、日本社会自身の問題でもあります。見て見ぬふりをして良いのでしょうか。
とりわけ、名古屋地裁のウィシュマさん死亡事件裁判は12月から証人尋問が始まります!ぜひ多くの日本社会の関心、監視を示すとともに、傍聴席を埋め尽くしましょう!1回でもぜひ傍聴支援にご参加ください!
〇大阪
・後ろ手錠14時間閉じ込め事件 大阪高裁
次回12月10日(水)11:00~83号法廷で控訴審第一回期日
・人権研修黒塗り事件 大阪地裁
次回11月14日(金)10:30~806号法廷で第一回期日
〇名古屋
・ウィシュマさん死亡事件国賠訴訟 名古屋地裁
12月4日(木)14:30~ 新美医師 証人尋問①

12月11日(木)14:30~新美医師 証人尋問②
※新美医師はウィシュマさんを診察した医者です。
12月24日(水)10:30~野村医師 証人尋問
(以下2026年)
1月14日(水)10:30~ 今川医師 証人尋問
1月28日(水)10:30~ 下医師 証人尋問

〇東京
・ウィシュマさんビデオ不開示取消訴訟 東京地裁
12月18日(木)11:00~ 第二回口頭弁論期日